第3回 ぐんまの子ども・若者支援フォーラム
渋川地区 開催報告
第3回を迎えた「ぐんまの子ども・若者支援フォーラム」には、様々な立場の方々に集っていただきましたフォーラムの開催が周知されている手ごたえを感じると共に、皆さまがそれぞれが連携を求めていることを実感しました。困難な状況にある子どもと若者が、将来を諦めることなく歩み続けるにはどうしたらよいか。その実態を見つめると共に、今回は「支援とはなにか」の原点に立つことができたのではないかと思います。「支援を必要としている方と支援者がうまくかみ合う社会の実現を目指して」。このテーマを忘れることなく、切れ目のない開催を目指していきます。
本フォーラムに関わってくださった全ての皆様に心よりお礼を申し上げます。
ぐんまの子ども・若者支援フォーラム
実行委員長 湯浅 やよい
【日 時】2022年10月30日
【対象者】困難な状況にある子ども・若者の支援関係者及び関係機関、当事者及び家族
【会 場】渋川市金島ふれあいセンター
【タイムスケジュール】
13:00 開 会
13:15 第一部 基調講演
「子ども・若者育成支援推進法制定から10年を迎えて」
掛川市長 久保田 崇 氏
15:00 第二部 分科会
A:多様な子どもたちの支援のススメ
B:あきらめた気持ちから、立ち上がる気持ちへ
C:居場所と社会参加を考える
D:官民連携
「第3回 子ども・若者支援フォーラム」開催にあたって
【実行委員長 湯浅やよい ご挨拶】
第3回を迎えた「ぐんまの子ども・若者支援フォーラム」には、様々な立場の方々に集っていただきました。フォーラムの開催が周知されている手ごたえを感じると共に、皆さまがそれぞれが連携を求めていることを実感しました。困難な状況にある子どもと若者が、将来を諦めることなく歩み続けるにはどうしたらよいか。その実態を見つめると共に、今回は「支援とはなにか」の原点に立つことができたのではないかと思います。「支援を必要としている方と支援者がうまくかみ合う社会の実現を目指して」。このテーマを忘れることなく、切れ目のない開催を目指していきます。
本フォーラムに関わってくださった全ての皆様に心よりお礼を申し上げます。
振り返りと今後に向けて
【事務局 丸山昌利ご挨拶】
民間支援のネットワーク構築と各機関との連携を!ということで立ち上がったこのフォーラムも、第三回目の開催を無事終えることができました。連携は「人との出会い」から始まっていきます。その場を提供させていただいているこのフォーラムの意義は、かなり高いと思っています。今年は、掛川市長の久保田様の基調講演から始まり、4分科会に分かれて、テーマを掘り下げていきました。今年は、分科会は実施回を重ねたことにより、テーマが増え、新しい視点・連携方法が模索されました。
次回も、例年通り開催地域を移動し、実施していきます。このフォーラムで生まれた出会いを大切にしながら、このフォーラムの核である「子ども・若者支援」につなげていきましょう。
第1部 基調講演 「子ども・若者育成支援推進法制定から10年を迎えて」
講師 久保田 崇氏 / 掛川市長
1976年静岡県掛川市生まれ。2001年内閣府入府。「子ども・若者育成支援推進法」の制定等に携わる。ボランティア活動をきっかけとして、2011年から2015年まで岩手県陸前高田市副市長として、津波被災地の復興に携わる。2016年から立命館大学公務研究科教授(災害復興支援室副室長)。2019年に掛川市副市長に就任、2021年より現職。
第2部 テーマ別分科会
A:多様な子どもたちの支援のススメ
【登壇者】
高橋知之 様/ヤングケアラー支援ネットぐんま 会長
中井正江 様/前橋赤十字病院 医療ソーシャルワーカー
相﨑ゆ美 様/群馬県スクールソーシャルワーカー
当分科会では、例年「多様な子ども達への支援」をテーマにお話を伺っています。今年はヤングケアラーに焦点を当て、教育・医療等の分野で活躍されているソーシャルワーカー3名をお招きしました。登壇者の髙橋氏から、私たちに出来ることとして、①声をかける、②話を聴く、③伴走する・つなぐ、の3つを共有されました。これらは登壇者の皆さんの話に共通するキーワードです。
センシティブな悩みを抱え、家庭の中に埋もれてしまう子ども達は、自身でSOSを発信することは困難です。安心して悩みを相談出来る、頼れる場所、人を作ることが、子どもを支える入口になります。また、頼れる存在は新たに創るだけでなく、私たち大人が普段関わる中で頼り先となることが出来ます。
“声をかける”“話を聞く”はまさにそのきっかけではないでしょうか。SOSが発信された後は、適切な支援機関につなぐことが重要です。特定の支援者に依存せず、地域全体で連携して子どもを支える重要性を皆さんと共有出来る機会となりました。(実行委員:佐藤大介)
B:あきらめた気持ちから、立ち上がる気持ちへ
【登壇者】
中沢守 様/渋川市教育委員会 教育長
小林直央 様/福祉系大学
高橋翼 /コーディネーター
第2分科会Bでは、「あきらめた気持ちから、立ち上がる気持ちへ」というテーマを中心に、渋川市教育長の中沢先生、わせがく高校の卒業生に登壇いただき、講演をいただきました。
渋川市では、ウォームアップティーチャーの導入等、様々な教育支援を実施し、「誰一人として取りこぼさない」という理念のもと、子どもたちの安心できる居場所づくりに尽力されているとのことでした。わせがくの卒業生は、中学校時代に不登校を経験し、彼の過去と現在に触れていきました。現在は、大学3年生で再び前を向きだした彼ですが、「まだ不登校が終わった感じがしない」と、最後にまとめてくれました。過去の自分を認め、不登校は決して失敗ではなかった、その経験があるから今があるのだということです。こうした気持ちを持てるようになるには、時間がかかるかもしれません。
ただ、自分のペースでゆっくりと進むためにも、支援者は、子どもたちが安心していられる居場所を提供していく必要があるのだと、改めて確認することができました。(実行委員 高橋翼)
C:居場所と社会参加を考える
【登壇者】
伊藤優子 様/不登校・ひきこもり当事者・ご家族対象「傾聴セラピー 心の休憩所 thubomi」
真下真帆 様/ NPO法人利根沼田地域ボランティアセンター「ごったく広場」
田中武志 様/社会福祉法人北毛清流会 障害者就業・生活支援センターコスモス
北毛地域で活動されている3名にお話しして頂きました。
田中さんは、働く意思はあっても働く場が見つからなかった障害を持った青年が、何とかお互いの理解を図りながら働けたことで、職場がその青年にとっては居場所となったのではないか、というお話をされました。
伊藤さんは、安全で安心して話せる「場所」、信頼して話せる「人」が「居場所」となり、次の一歩(社会参加)に繋がるのではないかというお話でした。その一歩を踏み出された方からは「あきらめないで」という言葉を伝えてほしいと託されたそうです。
真下さんは、年齢に関係なくいつでも人が集まり(不登校の子も)、情報も集まる場所です。そこから、現在は不登校の親の会も始まりました。「いつでも来られる場所があります。一緒に考えましょう」と話されました。
まとめとして、これからも「場」と「人」「想い」を繋げて、ひとりで悩まないで欲しいと伝えていきたいと思います。(実行委員:板垣弘美)
D:官民連携
【登壇者】
佐藤正行 様/社会福祉法人みなかみ町社会福祉協議会
登坂将志 様/社会福祉法人渋川市社会福祉協議会
村田治美 様/社会福祉法人渋川市社会福祉協議会
分科会Dでは、様々な課題を抱えている人たちを支える支援の輪を広げるには、官民が一体となって取り組むことが大切というテーマに基づき意見交換を行いました。
今回は、みなかみ町社会福祉協議会の佐藤さん、渋川市社会福祉協議会の登坂さん、村田さんにご登壇頂き、つなぎ役である社会福祉協議会の役割や官民の連携の取り組み事例をお話しいただきました。
そして、実行委員長の湯浅さんの進行で、会場の参加者からもご意見をいただきました。様々な立場の参加者のみなさんから、子ども・若者の支援活動を行う中で、官民の連携課題についてご意見を伺い、みなさんで共有しました。当事者とのつながりや支援団体とのつながり。そんな人と人との関わりの中で、子ども若者を育てること。
そしてこれからも人口減少・少子高齢化が進む中、官民が一体となって取り組まなければ、支援の輪は広がりません。最後に、官民連携で大切な事は、あきらめない事と纏めました。(実行委員:目崎智恵子)