第2回 子ども若者支援フォーラム 実施報告
「子ども・若者が幸せでいるために」
支援を必要としている方と支援者がうまくかみ合う社会の実現を目指して
【開催概要】
■日 時 : 2022年1月9日(日)13:00~17:00
■会 場 : 高崎市市民活動センター ソシアス
■参加者 : 76名
■内 容 : 13:00~ 開 会
実行委員長 挨拶、来賓ご挨拶
13:15~ 第1部 基調講演 「子ども・若者の今と未来」
15:00~ 第2部 テーマ別分科会 3つの分科会
16:45~ 閉 会 フォーラムまとめ
※フォーラム終了後、任意参加で情報交換・名刺交換会
共催 群馬県子ども・若者支援協議会
後援 群馬県・群馬県教育委員会・群馬県私立通信制高校連絡協議会・群馬県社会福祉協議会・
上毛新聞社 ・群馬テレビ・株式会社 エフエム群馬・毎日新聞前橋支局・東京新聞前橋支局・
朝日新聞社前橋総局 ・産経新聞前橋支局・時事通信社前橋支局・読売新聞前橋支局
【実行委員長 湯浅やよい ご挨拶】
ぐんまの子ども・若者支援フォーラムは、群馬県内の困難な状況にある若い世代の支援に携わる民 間の実践者との繋がり、行政との連携を目的として開催しています。 今回は「子ども・若者が幸せでいるために」をテーマとして掲げ、様々な視点を持つ方々にお越し いただき課題を投げかけていただきました。子ども・若者を真ん中に考えて支援の立場に立つことを あらためて気づかせていただきました。本フォーラムの開催にあたり、ご支援ご理解くださっている すべての皆さまに感謝いたします。
第1部 基調講演 「子ども・若者の今と未来」
講師 湯浅 誠 氏
東京大学先端科学技術研究センター 特任教授 NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ 理事長 1969年生まれ。1990年代よりホームレス支援・生活困窮者支援に従事。2009年から3年間、 内閣府参与。法政大学教授(~19年)。主な著書に『「なんとかする」子どもの貧困』(角川新書)、 『ヒーローを待っていても世界は変わらない』(朝日文庫)など。
「すべてのこどもに“居場所”が必要。 それは、貧困であっても、なくても。」
こども食堂は、「参加条件がなく」「大人も高齢 者も参加している」場所になっている。「こども専 用食堂」「食べられないこどもが行くところ」とい うのは、イメージと実態が合致していない。 むしろ、「こども(もオッケー)食堂」「公園の ような地域みんなの憩いの場」として捉えるべき。 それは、「縦割り・横割り・年代割り」を排した、 人をタテにもヨコにも割らない、地域コミュニティ づくりの拠点である。 それが「こども食堂」であり、“居場所”である。
第2部 テーマ別分科会
分科会「妙義」
【登壇者】
・わせがく高校卒業生で、現在社会で活躍をしている方
・わせがく高校教員
・NPO法人はじめの一歩 代表 板垣 弘美(実行委員)
それぞれの生き方に寄り添った就労や社会参加を果たすための支援を 行っている事例を通して、不登校を経験した元当事者や、社会参加を通し て最初の一歩を踏み出していく若者のリアルの声を聴きながら本当に必要 な支援とは?気持ちに寄り添うということは?という支援を続けていくヒ ントを一緒に考えていきました。
【報告】
参加者の皆さんはそれぞれの体験と重ね合わせる ように、真剣に聞き入っていました。学校に行かな い選択をしてからのご両親の対応、その後の良い出 会いがあって、今のように成長されたんだと思うと、 ご本人とどのように関わるかがとても重要だという ことを、改めて感じました。(実行委員 板垣弘美)
「妙義」分科会では、不登校を経験された登壇者 のお話しを中心に、支援のあり方や気持ちの持ちよ うについて、参加者のみなさんと一緒に考えました。 長い人生の中で、そのとき、そのときの状況は人そ れぞれですが、状況を受け入れ、ひとつの考えにと らわれず、多様な生き方を認める寛容さを持つこと が重要で、周りを取り巻く人、特に保護者や学校の 先生の理解が大切になると思います。 そして、悩みを持つ人同士や支援する団体等が繋 がり、情報を共有することが、私たちの明るく輝く 未来への懸け橋になることを改めて確認することが できました。(実行委員 須藤貴史)
分科会「榛名」
【登壇者】
・ぐんま里山学校代表 落合哲郎さん
・渋川市立古巻小学校 LD・ADHD等通級指導教室 佐藤雅次さん
【進行/ファシリテーター】 ・群馬県立太田フレックス高校 斎藤理一郎さん
公教育での支援と、民間での支援のをそれぞれの最前線で活躍しているお 二人にお話ししていただき、
それぞれが抱える課題や、今後の子どもたち への支援の展望をお話していただきました。
【報告】
「 子どもの居場所を中心に考えていけること は大事」だと、ファシリテーターの斎藤先生が おっしゃいました。
不登校は悪くない。子ども があきらめる気持ちを抱かなくて済むように、 大人の理解と行動が大切だと痛感
しました。 (実行委員 湯浅やよい)
「榛名」分科会では、学校内外で支援を展開す る登壇者のお二人のお話の中から、それぞれで適 度な失敗
体験ができ、信頼できる大人がいる居心 地の良い環境である「子どもの関心・得意な点を 発揮出来るステップ
を踏める場所をつくる」とい う一つの共通項が見つかりました。 また、通級指導教室やぐんま里山学校などの子
ども達をサポートする環境は少しずつ増えており、 学校内外の協力関係も広がっています。子どもの力を発揮で
きる環境を広げていき、様々な機関で 連携協力する重要性を参加者と共に認識出来る機 会となりました。
(実行委員 佐藤大介)
分科会「赤城」
【登壇者】
・安中市社会福祉協議会 地域福祉課長 岡本裕介さん
・安中市役所 福祉課地域福祉係 三宅陽子さん
・NPO法人 ぐんま若者応援ネット(アリスの広場)佐藤真人(実行委員)
・平出紙業株式会社 代表取締役社長 平出武史さん
【進行】
・ナビゲーター:NPO法人日本ゲートキーパー協会理事長 大小原利信(実行委員)
・総合司会:(公)さわやか福祉財団 目崎智恵子(実行委員)
居場所と社会参加についての事例(安中市、アリスの広場等)を通じて、 行政・企業・NPO等の連携の在り方を考えていきました。
【報告】
ひきこもり支援をしている団体や企業 等の取り組みを参加された方々と情報共 有できたので、良い機会となりました。 今後もさまざまな課題を解決するために、 さまざまな分野の団体、人と連携できた ら良いと思いました。(岡本裕介さん)
目崎智恵子さんの司会で始まり、岡本裕介さんから は、「官民連携」との立場から社会福祉協議会は官民 の中間にあり、是非各地の社会福祉協議会の活用し、 連携をしてほしいとのお話を頂きました。 次に、三宅陽子さんからは、窓口担当は相談対応で 困っている現実があり、庁内に引きこもり支援関係者 連絡会をスムーズに立ち上げることができた。トップ の指導の賜物と思うとのエネルギーあふれるお話を頂 きました。 次に、佐藤真人さんからは、「居場所」の運営とし て大切なことは、①来てくれてありがとうの気持ち② 当事者の負担にならないようになどを考慮して、気持 ちに寄り添う必要性を話してくださいました。 最後には平出武史さんからは、「社会参加」の角度 から当事者の健康なども考慮して長期間納期の仕事を お願いし、配送や納品作業指導も工夫している。との 説明をいただきました。会場内の皆さんは熱心にメモ を取りながら参加していただきました。
【副実行委員長 目崎智恵子 ご挨拶】~振り返りと今後に向けて~
地域の支援の網目を細かくするためには、官民が連携することが、とても大切です。 行政の制度は、それぞれの分野ごとに縦割りで行われています。ですがみなさんが行っている支援 は、様々な分野の横串を刺す活動を行っています。みなさんが、普段の暮らしの中で、知り合い、学 び合い、助け合い、そしてつながることで地域の支援の網目が細かくなります。一人一人の小さな点 と点をつなぎ、面としての支援の輪をみんなで一緒に広げていきましょう。